401: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:22:53.26 ID:gRo934GOo
群像の日誌

○月×日
夜、クルーの杏平と僧、艦娘の伊58とポーカーをやった。
でち公の奴、やたらツイていたがきっと幸運艦だからに違いない。
最近イオナがでちでちと彼女の真似をするようになって微笑ましい。

○月■日
今日、メンタルモデルのイオナから魚雷をもらった。
霧に対して効果的な侵食魚雷だ。。
伊19が欲しいというので与えてみたらあいつ、またがったりこすりつけたりして
一向に発射する気配がない。

○月△日
今朝5時頃、スク水を着た潜水艦娘たちに叩き起こされシュトーレンを作らされた。
何でもかつての仲間が好きだったらしい。
潜水艦達は『オリョクルばかりやってたからこんなことになったんだ』と言っていた。

○月◆日
昨日からなんだかイオナの様子がおかしい。
そういえば最近語尾に必ずでちをつけていたような気がする。
不気味だ。

○月□日
あまりにイオナでちでちとしか言わなくなったので伊58に見てもらった。
「一時的なものですぐに治るでち」と彼女は言った。安心した。
きょうはぐっすりと眠れそうでち。

○月▲日
朝起きたら、イオナだけでなく僧達もでちでち言っていた。
潜水艦達が静かなので、でちでち言いながら見に行ったら、
Z1とかいうよくわからない艦娘を連れていた。
イオナがでちとしか喋らなくなった

○月◇日
昨日、オリョクルから逃げ出したまるゆが一匹解体されたって話でち。
夜、からだ中 スク水。
しゃべろうと、口を動かしたら 語尾にでちがつくでち。
いったいおれ どうなっているでち

○月@日
やと オリョクル おわた おっきな ぎょらい
今日 あ号終了 カレクル いく

でちでち コンゴウーきた
ぼっちなんでじゅうりょくほう
うった でち


でち
うま

引用元: 『終末艦これショート』

402: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:29:14.60 ID:gRo934GOo
※間に合わなかったので前後編に分けました。後編は今日頑張って書くでち。


【ある泊地に一航戦と五航戦がおりましたとさ Chapter3/前編】


――泊地――


赤城「……えー、空母の皆さんでしたらご存知のことと思いますけれど、近年の戦闘という
ものは航空戦が主体となりつつあり、私達空母の重要性は極めて高くなっています」

赤城「空母の活躍が戦況を左右する可能性もあるので、私達に掛かる責任は重大です。
……現状でも私達は高い練度を有してはいるものの、それに甘んじて慢心しては
いけないと私は考えます。提督も概ね同じ意見のようでした」


赤城「そこで、航空戦力の集中強化を行う為に、今日より私達空母一同は纏まって行動し
訓練を行いたいと思います」


瑞鳳「私達って、いつの間にか一航戦・五航戦っていう風に別れちゃってたからね、いいかもねっ」

加賀「……何で五航戦の子なんかと」ムスッ

翔鶴「か、加賀先輩~……」

赤城「加賀さんや、そうも言っていられないのも現実でしょう?」

赤城「東方作戦でも潰しきれなかったサーモン海域の敵艦隊は今も尚、私達の脅威として
眼前に立ちふさがっている」

瑞鶴「……二航戦の人達でも敵わなかった艦隊……なんだよね」

瑞鳳「そんな敵に……私達は勝てるの?」

加賀「……情けない。戦う前からそんな調子では先が思いやられます。これだから五航戦は」

瑞鶴「五航戦五航戦って……、言わせていただきますけどね、加賀さん。国が一番つらい時、
一航戦として戦線を支えていたのは私達なんですけど!? ミッドウェーで速攻沈んだ
どっかの焼き鳥空母の尻拭いをしていたのは他の誰でもないこの私達なんですけど!?」

加賀「真珠湾以前から戦線を引っ張ってきたのは私達よ? 私達なくして
真珠湾のあの功績はありあえなかった」

瑞鳳「あちゃあ、こればっかりはいつものことだからしょうがないけど、
このままじゃお互いずっと龍驤ちゃんだよねぇ?」

龍驤「……あの、それはアレ? 平行線言いたいんか?」

瑞鳳「……////」

龍驤「人のことネタにしてボケといて照れんなや。ちょっち格納庫出そか……」



403: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:30:47.28 ID:gRo934GOo


赤城「まぁまぁ二人共。いがみ合っている場合じゃないのはわかっているでしょう?
瑞鶴ちゃん、不安なのはわかるけど、その為に私達は一緒に訓練するのよ。加賀さんも
わかった?」

加賀「……赤城さんが言うなら、仕方がないわ。邪魔だけはしないでください」

瑞鶴「そっちこそ!」

赤城「全く、この二人は本当にしょうがないわね……」

翔鶴「喧嘩する程なんとやら、とも言いますから……」

瑞鳳「その点私達は仲良しだよねぇ、龍驤ちゃん」

龍驤「ま……仲間意識っちゅーもんを少なからず感じるしなぁ、瑞鳳からは」

瑞鳳「喋る壁の仲間っていうのはちょっと……あの、ぬりかべとかと戯れててください」

龍驤「キミね、友情破壊したいんか?」

瑞鳳「これも私なりの愛情表現ってやつですよ」

龍驤「うわー、いややわー、歪んでるわー」

翔鶴「仲がいいのね、二人共」

龍驤「フルフラット空母同盟やからね。後一人で三国同盟の完成や」




――鎮守府・ドック――


大鳳「……へっくち!」


「たいほーさん、どうしたですか?」

大鳳「いえ、今何か……?」




404: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:34:05.47 ID:gRo934GOo


とまれかくまれ、空母一同はこれまで分かれていた訓練を纏まって行うようになりました。


――泊地・港――


赤城「それでは今回は、サーモン海域から攻めてくるであろう深海棲艦を想定した模擬戦を
行いたいと思います」

翔鶴「模擬戦……ですか」

赤城「敵旗艦である可能性が高い姫級は航空戦から雷撃、夜戦までこなす驚異的な存在です
また先制雷撃までも行う未知の深海棲艦の存在も確認されています」


??「――なるほど。それを想定して……私を呼んだと言うわけか。航空戦艦の、この私を!」

??「……僕の瑞雲、ウズウズしてる(意味深)」

??「仕方ありませんわね……このわたくしの力を見せてあげましてよ? トオォォォォン!」


伊勢「そういう無駄に隠さなくてもいいから。ていうか、隠してもバレてるから」

龍驤「キミたち個性的すぎや」

日向「……全く、登場シーンは大切だろう? 航戦イエロー」

伊勢「……航戦イエロー? なにそれ……」

日向「……」ポン(伊勢の肩に手を置く音)

伊勢「マジでか」


405: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:34:58.48 ID:gRo934GOo

最上「僕は航巡レッドさ!」

熊野「わたくしは航巡ゴールドですわ!」

日向「そして私は……」


日向「航戦鼈甲!」



龍驤「統一感無い上に自分だけめっちゃいいの選んでるやん」

赤城「べっこうってお高いんですよね」

翔鶴「日向さんって、こんな人だったかしら……?」

瑞鳳「なんか、航空戦艦に改装してからずっとこうらしいよ」



406: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:37:35.33 ID:gRo934GOo
伊勢「ていうか私がイエローっていうのが何か気に喰わないし! ちょっと日向!」

日向「なんだ、イエローはいやか?」

伊勢「あったりまえじゃん! ていうか何なのこの呼名……」

瑞鳳(まぁ、常識的に考えてこんな呼び名嫌だよね……)

伊勢「イエローとか食いしん坊キャラじゃない! ピンクとかにしてよ!」

瑞鳳「えぇ、そういう問題!?」

日向「わかった。じゃあ伊勢は航戦イエロー・オルタナティヴだ」

龍驤「イエローは譲れないんか……」

日向「伊勢も私も黄色っぽいしな……」

瑞鳳(根本的にはあんまりかわってないんじゃ……)

伊勢「まぁ、それならいいかな……」

瑞鳳「えぇー……納得しちゃうんだ」

龍驤「これもうわからんな」

最上「……それじゃあ改めて! 伊勢から!」

伊勢「えっ?」

最上「名乗り!」


伊勢「えっと……航戦イエロー・オルタナティヴ!」

最上「航巡レッド・フルカスタム!」

熊野「航巡ゴールド・グランデ!」

日向「そして私が……」



日向「航戦鼈甲・オブ・ザ・サンクチュアリ零式だ」



龍驤「日向こじらせすぎやろ」

龍驤「ていうかキミたちねぇ……かっこいいからってすぐに真似するのはどうなん?」

日向「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」

加賀「……この茶番はいつまで続くのかしら」

407: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:40:59.13 ID:s8PDcj0x0
終末、なんだよな?

408: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:41:26.75 ID:gRo934GOo
赤城「えーっと……まぁちょっと話がそれてしまいましたけど、今日は仮想深海棲艦姫級として
航戦航巡の方達に模擬戦の相手をしていただきます」


日向「模擬戦とは言ったが……制空権、別に奪ってしまっても構わんのだろう?」


龍驤(無理やって)

赤城「こちらは空母六隻編成で模擬戦を行います」

五十鈴「こっちの足りない分は私と陽炎が入るわね」

陽炎「陽炎艦隊入りまーす」

赤城「模擬戦は索敵から開始するので両艦隊は相手に居場所を教えず別れてください
訓練では演習用の弾を使用します。各隊は判定用の妖精さんを必ず伴ってください」

赤城「……以上、質問がなければ準備が整い次第、早速模擬戦を行おうと思うのですが」

瑞鶴「はいはーい! こっちの艦隊の旗艦は誰がやるんですかー?」

加賀「何を当たり前のことを聞いているのかしら。そんなの、赤城さんに決まって……」


赤城「いえ、旗艦は……翔鶴ちゃんにやってもらうわ」


加賀「「!?」」瑞鶴

翔鶴「え、ええ?! 赤城先輩。あの、なんで……」

赤城「あ、別に私じゃなかったら加賀さんでも瑞鶴ちゃんでも良かったんだけど……」

翔鶴「どういうことですか……?」

赤城「この先の戦い、何が起きるかわからない。私が沈むことだってありうる。
……まぁ無いに越したことは無いけれど、だけどもしもそういうことになって
他の人が旗艦をやることになって……その時、旗艦になる子は予め旗艦に
慣れておかないと色々困るでしょ? この泊地に来てから空母艦隊の
旗艦は私ばっかりだし。だから、訓練ではいろんな人がやった方がいいと思ったの」



409: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:45:37.05 ID:gRo934GOo

加賀「赤城さんが沈むなんてことはありえません!」

赤城「私もそんなつもりはありませんよ。あくまでも、もしもの時、よ」

赤城「……という訳だから、翔鶴ちゃんよろしくね」

翔鶴「あ、あの……私が旗艦だなんて恐れ多……」

赤城「大丈夫よ、あなたの力はそれに十分値するわ。自身を持って」

加賀「くっ……五航戦の子が旗艦だなんて」

瑞鶴「んんwどんな感じどんな感じ?w」

加賀「……頭にきました」シュパッ

瑞鶴「あたんないわよ! ていうかまた九九艦爆? 同じ手は二度食わな……」

加賀「かーらーのアイアンクロォ」ガシッ

瑞鶴「あががががが……!」

翔鶴「ずいかく~! 先輩やめてぇ~!」




410: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:49:13.69 ID:gRo934GOo

――泊地・整備ドック――


翔鶴「それではえっと、皆さん艦載機の準備は終わりましたか?」

瑞鶴「終わったよ! 翔鶴姉」

加賀「そんなこと見ればわかるでしょう。聞くまでもないわ」

加賀「……赤城さんの提案なので一応今回は従うけど、
私はあなたが旗艦だなんて認めていませんからね」

瑞鳳「たかが訓練なのに……」

龍驤「まー、加賀はこういう奴やからねぇ。あーそれよりちょっちいいかな?」

翔鶴「どうなさいました?」

龍驤「いやー……その、なんていうん? みんな戦闘機の数が少なない?
って思ってさ……」

加賀「? 十分だと思いますが……」

龍驤「うちらって空母やろ? 今回は随伴艦もおらへんし……直掩機は大切やと思うんけど」

翔鶴「確かにそうかもしれませんね……」

加賀「しかしこれ以上対艦攻撃機や爆撃機を減らしてしまっては打撃力に欠けてしまいます
特に戦艦級の装甲は厄介よ。私は寧ろ攻撃隊を増やした方がいいとさえ思っているわ」

赤城「やられる前にやれ……ということね」

翔鶴「う~ん……難しいところですね……」

加賀「早く決断しなさい。どちらの方がいいの? これくらいの判断ができないと旗艦は務まらないわよ?」

翔鶴「あ、あう……」アセアセ

加賀「ケケケ……ッ」

瑞鶴「こら! 翔鶴姉をいじめるな!」

赤城「加賀さん、あまりいじわるしちゃダメよ?」

加賀「すみません、赤城さん」

瑞鶴「翔鶴姉に謝んなさいよ! ゴラァ!」



411: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:50:42.52 ID:gRo934GOo

赤城「……翔鶴ちゃん、自分の思ったようにすればいいのよ。今回は訓練なんだから」

翔鶴「ありがとうございます、赤城先輩……えっと」

翔鶴「航空隊の編成は変えないでいこうと思います」

加賀「そう。……まぁ、いいけれど」

龍驤「そっか……」

赤城「それじゃあ準備も整ったことだし、行きましょうか」

瑞鳳「相手艦隊のみんなを待たせるのも悪いからね」

龍驤「ん~……やっぱりちょっち心配やなぁ」

瑞鶴「……」


こうして、翔鶴を旗艦とした空母機動艦隊は模擬戦へと臨むのだった。




412: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:53:34.93 ID:gRo934GOo

――泊地近郊・演習海域――


翔鶴「皆さん、索敵は慎重に行ってください。第一段の索敵線は赤城先輩加賀先輩
第二段は私と瑞鶴、第三段は龍驤さんと瑞鳳でお願いします」

瑞鳳「索敵ね。わかったわ」

加賀「……」

赤城「あら、加賀さん。九七艦攻だけではなく天山も索敵に加えるの?」

加賀「敵を発見し次第、あわよくば攻撃に繋げようかと」

瑞鶴「索敵は慎重にって翔鶴姉の言葉聞かなかったの? そんな博打やめてくれません?」

加賀「練度の高い一航戦なら問題はないわ」

加賀「あなたは大人しく彩雲でも飛ばしてなさい。まぁ、それでもうちの子達はそれ以上の
索敵能力を持っているけど」

瑞鶴「翔鶴姉ぇ~こいつ何とかしてよ~。やっぱ慢心の一航戦だよ~」

龍驤「こればっかりは一航戦の気質やからなぁ……」

翔鶴「え、ええっと……加賀先輩、大変恐縮なんですが、ここは大人しく索敵に専念した方が……」

加賀「……一航戦なら皆こうするわ。赤城さんもそうでしょう?」

赤城「んー、まぁ、そうするわね……」

加賀「ほら」ドヤッ

赤城「でも翔鶴ちゃんの言うことも一理あると思うわよ」

翔鶴「……わかりました。とりあえず加賀さんの索敵についてはそのままでいいと思います」

翔鶴(本当は索敵に集中してもらいたいけど……ここは先輩の顔を立てましょうか……)

瑞鶴「翔鶴姉ぇ……」

翔鶴「大丈夫よ瑞鶴。先輩方を信用しましょう」


空母機動艦隊、計18機の索敵機を飛ばす。


413: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:56:08.02 ID:gRo934GOo

龍驤「はぁ~……」

瑞鶴「どうしたの? そんなに長いため息ついちゃって」

龍驤「瑞鶴か……いいよなぁ……」

瑞鶴「えっと……何?」

龍驤「それ、紫電改やろ?」

瑞鶴「直掩機のこと? これは紫電改二よ。うちの艦隊で今一番新しい機体がこれね
一航戦の先輩方は何故か零戦使ってるみたいだけど……」

龍驤「使いやすさとかあるんやないの? まぁ……うちなんて未だに九六式なんやけど。
開発資源が足らなくて配備できないってのは分からないでもないけど、せめて零戦位は欲しいんけどなぁ……」

瑞鶴「……積めない訳じゃないんでしょ? 攻撃機は天山だし……」

龍驤「うちの性能って極端やから……提督にも守りより攻めって言われてるし。そのせいで新しい戦闘機を
なかなか配備してもらえないんやけどね……」

龍驤「そもそも一航戦自体、攻撃に重きを置く傾向があるからなぁ~」

瑞鶴「そういえば、龍驤さんも一航戦の経験があったんだよね……」

龍驤「せやで~。赤城や加賀にも負けへんで~」

龍驤「それと、さん付けはせんでもええよ。龍驤ちゃんって、可愛く呼んでな~」

瑞鶴「それじゃあ、龍驤ちゃん」

龍驤「ほんまにそのまま呼ぶ奴があるか。呼び捨てでええから」



414: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:57:59.46 ID:gRo934GOo

瑞鶴「そういえばさっきから気になってたんだけど……いい?」

龍驤「なんやなんや」

瑞鶴「龍驤はなんだか直掩機に拘ってるみたいだけど……」

龍驤「あは、気づかれてしまったかー……」

龍驤「まぁ、大したことじゃないんやけど……うちってあの戦争で沈んだ時、直掩機9機しか付いてなくてなー
いや、元はといえば敵に発見されたうちが悪いんけども……なんて言うんかなぁ~」

龍驤「いっつも思ってしまうんよ。あの時もっと直掩機がいたら、沈まなくてもすんだかもしれないって」

龍驤「トラウマ……ってやつなんかな。あはは……」

瑞鶴「でもわかるなぁ……私も翔鶴姉が沈んだマリアナ沖海戦やエンガノ岬での事は今でも
時々思い出すし……やっぱりもう二度とこんな思いはしたくないって思うよ」

龍驤「んー、湿っぽくなってあかんなぁ……」


瑞鳳「なーにしんみりしちゃってるの二人共」



415: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:59:10.65 ID:gRo934GOo

龍驤「づほか」

瑞鶴「昔のことを思い出してたらちょっとね……」

瑞鳳「昔は昔。大切なのは今! でしょ?」

瑞鳳「龍驤ちゃんが直掩機心許ないって言うなら、私が守ってあげるって」

龍驤「なんやづほ~、気ぃ使ってくれてるんかぁ~? ういうい、ういやつやなぁ!」

瑞鳳「龍驤ちゃんはまな板コンプレックスで常日頃からストレスに晒され続けてるんだから
こういう時は労ってあげないとね~」

龍驤「一言多いんじゃボケ。アンタも変わらんやろ」

瑞鶴「まぁ、瑞鳳の言う通り……昔は昔。悲しいことがたくさんあったけど、今は昔とは違う
私や翔鶴姉、皆がいる。龍驤は一人じゃないんだからさ……」

瑞鶴「だからその……あまりうまくは言えないんだけど……大丈夫だよ、きっと」

龍驤「なんや、瑞鶴まで……」

龍驤「……ま、ありがとうな」



加賀「……! 見つけたわ、敵艦隊よ!」



416: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:00:55.39 ID:gRo934GOo

――敵艦見ゆ――


翔鶴「皆さん、攻撃隊の発艦準備に入ってください!」

加賀「ふ……その前に出会い頭の一撃、お見舞いします」


航空母艦・加賀の放った天山らは発見した敵艦隊に肉薄。
索敵攻撃に入る。


伊勢「来たわね……! だけど、甘いのよッ!」


ドォン! バシュウゥゥン……!



「!? 加賀さん、天山全機ロストです……!」

加賀「な……!?」

「……相手に位置を特定されました! 敵艦隊、向かってきます」

加賀「おかしい……私の天山なら伊勢日向や五十鈴の迎撃も抜けれたはず……何か……ある……!」

翔鶴「落ち着いて対処しましょう! まだ敵艦隊の射程には入っていないはずです!
第一次攻撃隊で戦力を削ぎます」

赤城「翔鶴ちゃん、日向達は瑞雲を搭載しているわ。制空権争いもしなくちゃいけないし
……おそらく第一次じゃ倒しきれない」

翔鶴「一筋縄ではいきませんか……」

瑞鶴「やるじゃない……そうこなくっちゃ!」



417: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:03:13.52 ID:gRo934GOo


――戦闘開始――


日向「全艦瑞雲を放て! 航空戦も砲撃戦もできる我々の恐ろしさを
存分に刻み込んでやれ!」


仮想姫級部隊。瑞雲を一斉に射出。


日向「そして突撃! これだ!」


その後、全艦は最大船速で前進を開始する。


翔鶴「全航空隊! 発艦始め!」


空母機動艦隊も敵艦隊に対し攻撃隊を差し向けた。
六隻の空母から放たれる艦載機の大編隊は壮観の一言に尽きる。


加賀「……嫌な予感ね。さっきの天山撃墜と言い……何か……」


空母機動艦隊の送り出した大編隊、日向らの水上機部隊と激突。
制空権を得る。それに加え、想定よりも早く敵艦隊への攻撃を
行うことに成功した。


五十鈴「敵の第一次攻撃隊よ!」

陽炎「伊勢さん、アレやっちゃって!」



伊勢「さぁ、三式弾発射するわよ!」




418: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:06:18.08 ID:gRo934GOo

「報告! 第一次攻撃隊の攻撃 ――敵損害中破2小破1! 帰還した艦載機は80前後……!
紫電改二を除く航空機は甚大な被害を受けている模様!」

赤城「あれだけあった艦載機が半分以下……!? 200はあったはずよ!」

翔鶴「水上機の被害にしては大きすぎます! いくら対空特化の五十鈴さんが
いるからといってもこれは……」

加賀「やはり、あれしかない……三式弾……!」

瑞鳳「三式弾って、あの三式弾……!?」

加賀「そうよ。まさかとは思ったけど……それしか考えられない。水上機の数が想定よりも
少なかったのが気になるし……おそらく誰か一人は瑞雲ではなく対空装備できてる」

赤城「おそらく伊勢ね。日向は瑞雲を放って突撃することしか頭にないでしょうし」

翔鶴「しかし予想外でした。まさか三式弾とは……」

加賀「味方が使っていた時はさして絶大な効果があった訳じゃなかったから失念していたけど
……敵に回したらこんなことになるなんて」

龍驤「カタログスペックっちゅーのは怖いなぁ」

瑞鳳「妖精さんのオーバーテクノロジーの産物だよねー」

龍驤「うちもカタログスペック並にバルジつけてもらってもええんやで……?」

赤城「一応補用の艦載機がありますが、合わせても150機いきませんか……」

翔鶴「まずいですね……どうすれば……」

瑞鶴「あーもう! 考えるよりやるしか無いよ翔鶴姉!」

翔鶴「そうね……こうなったら、私達の速力で相手を撹乱するしか……!」



419: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:08:45.97 ID:gRo934GOo

瑞鳳「敵艦隊! 接近してきます!」

日向「待たせたなお前達! 今すぐ沈めてやるぞ、そら!」ドン!

熊野「ヒャアアアアアア!」ドン!

龍驤「わわわ、砲撃が来るでー!」

翔鶴「皆さん! 私達が前線にて敵を引きつけます! その隙に第二次攻撃隊を!」

赤城「……了解」

加賀「早々にやられないでくださいね」

瑞鶴「アンタじゃあるまいし!」

加賀「……ぶち込まれたいのかしら?」

瑞鳳「もー! 今戦闘中だってっ」


五航戦・瑞鶴、翔鶴。敵艦隊の砲撃を引きつけるために突出。


瑞鶴「翔鶴型の速力、見せてあげる!」

最上「そう? じゃあ僕は瑞雲を見せてあげるね!」ヒュン

日向「そしてダメ押しの瑞雲! ドン! 更に倍!」ヒュン

熊野「この熊野の瑞雲……甘くはなくってよ? トオォォォォン!」ヒュン

翔鶴「先輩方! 急いでください!」

伊勢「……いや、まぁ間に合わさせないけどね!」



ドオォーーーーン!




420: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:09:37.22 ID:gRo934GOo

瑞鶴「翔鶴姉!?」

翔鶴「……あら、やられちゃった?」

瑞鶴「しょーーーかくねぇーーーーー!」

「翔鶴さん、中破判定です」

翔鶴「そんな死んだみたいなリアクションしないで、瑞鶴。まだ中破だし、
そもそもこれ訓練だし」

日向「敵前線は崩れた! 全艦突撃! 私に続け!」

五十鈴「五十鈴には丸見えよ!」

陽炎「いよいよ私の出番ね!」

最上「飛行甲板は伊達じゃないってね」



421: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:12:36.07 ID:gRo934GOo
加賀「……あまりよろしくない状況ね」

赤城「なんとか時間を……!」

龍驤(……今のうちには皆がいる。せやかて、守られるだけは性に合わへん)


龍驤「……龍驤ちゃん、やったるで!」



翔鶴「うっ……このままじゃ……」


五航戦・翔鶴、瑞鶴。依然、回避運動を続けるが距離を詰める敵艦隊に徐々に追い詰められ
後退していく。砲撃が命中するのは最早時間の問題だった。


瑞鶴「五航戦なめんじゃないわよ!!」

日向「気合だけではどうにもならないこともある。それを教えてやろう、ほうら!」ドン!


航空戦艦・日向、瑞鶴に向けて砲撃す。


瑞鶴「!!」

瑞鶴(く……もう避けられない……ここまでか……!)


「ちょっと待ったあああああ!!」


日向「!?」

龍驤「うおおおおおおお! 見たってや、ウチとてたまには、進んで壁になるんや!」

龍驤「ぐへっ!?」


軽空母・龍驤、瑞鶴を庇い被弾。撃沈判定。
そして……


龍驤「よっと、うぇ!? わわわ、あかーん! 勢いがつきすぎてしもた、こりゃあマズイで!」

龍驤「ほんまアカンて、アカンよ!」


転覆。


瑞鶴「……これはひどい」



その後、空母機動艦隊は旗艦の翔鶴が討たれ敗北。
同じく撃沈判定を受けた加賀は「9発命中は多すぎる」と抗議したがその意見は受け入れられなかった。

422: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:16:00.59 ID:gRo934GOo
――泊地・港――


日向「ふっ……どうやら今回は私達の勝利のようだな。しかしそう悲観することはない
君達の実力は相当なものだった。ただ……航空戦艦の時代が来たという、それだけのこと」

加賀「航空戦艦の力ではなく、三式弾の力です。そして瑞雲ではなく三式弾を積んでいた伊勢は
実質戦艦です。そこを間違えないで」

最上「あれれ、撃沈した加賀さんがなにか言ってるね。負け犬の遠吠えなのかい?」

日向「おいおい最上、勝者というのは敗者に対しても寛大でなくてはならないんだ
そういうのはよくない」

加賀「だからあなた達の力ではなく三式弾の力と……」ビキビキ

赤城「まぁ、あれは三式弾という名の別物よねぇ……もっと良い艦載機を積まないとキツイわね。
私も紫電改二積もうかしら……」

日向「さて、空母連中を負かして気分がいい。今日は奢るか。君達はどうする?」

陽炎「え? おごってくれるの? やったぁ!」

五十鈴「良いんじゃない?」

日向「なんでも食べたいものを言ってみろ。今なら連れて行ってもいい」

熊野「神戸牛!」

陽炎「間宮のパフェ!」

最上「じゃあね~僕、瑞雲!」

陽炎(瑞雲しか言わねえなこいつ)

日向「はっはっは~、最上め、その水上機ジョークはレベルが高すぎるぞ~!」

陽炎(ほんとにレベル高すぎて意味分かんないわよ)

伊勢「日向ってば調子のりすぎ……あぁ、なんかごめんね? みんな」

加賀「いいです……次回完膚なきまでに叩き潰しますから」ムスッ

赤城「加賀さんってば……あ、気にしないで伊勢。それよりもいい訓練になったわ、ありがとう」

伊勢「そう? ……それならよかったけど」

日向「ほうら伊勢! ご飯食べにいくぞご飯! 今日は私の奢りだ」

伊勢「へ~、気前いいじゃん日向~。あ、それじゃあ私達はそろそろ行くから~」

日向「ふっ……さらばだ空母諸君」


赤城「……じゃあ、私達もご飯にしましょうか」

423: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:19:36.63 ID:gRo934GOo

――泊地・食堂――


赤城「……ではこれより、模擬戦の反省会を行います。意見のある方は?」

加賀「はい。ズバリ敗因は五航戦が旗艦だったからです。やはり旗艦は一航戦がするべきです」

瑞鶴「よく言うわあんなに被弾してたくせにー……」

加賀「あ、あくまでも妖精さんの判定によるものですから……」

赤城「加賀さん。妖精さんは中立よ? そこは素直に認めないと」

加賀「うっ……た、確かに私は撃沈判定こそ受けました」

加賀「しかしそれはあの三式弾という名の何かのせいです。……あんなの、超性能もいいところだわ」

赤城「まぁ、それはあるわね……そして対策を取ることができなかったのも確か」

赤城「翔鶴ちゃん、あなたはその速力を生かし相手の攻撃を引きつけた。
咄嗟の行動だったんでしょうけど、旗艦の行動としてはあまり評価できないわね」

翔鶴「すみません……あれしか思いつかなくって」

瑞鶴「翔鶴姉はすぐ自己犠牲に走るんだから……」

赤城「何にせよ、課題はまだまだ山積みね……でもまぁ、最初はこんなものでしょう
これから徐々に改善していけば……」


瑞鳳「あ、そういえばあれがあったよね……龍驤ちゃんの転覆」


424: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:21:53.91 ID:gRo934GOo

加賀「……そんなこともありましたね」

龍驤「こらづほ! せっかく人が空気に徹して話題に上がらないようにしとった言うんに!」

瑞鳳「わ! 龍驤ちゃん!? あまりに喋らないものだから壁だと思ってたんだけど!」

龍驤「こないなキュートな壁があったら困るわほんま……ってアホー!
ええかげんにせぇよ!」

赤城「でも、あの時の龍驤は自ら壁になりに行ってたわね」

瑞鳳「『ウチとてたまには、進んで壁になるんや!』なんて言っちゃってねぇ。
もう壁になればいいじゃん」

龍驤「ほ、ほらぁ……そやって掘り返す。だから嫌やったんや、この話題に触れるの」

加賀「龍驤、あれはあなたらしくもない行動だったけど……どうかしたの?」

龍驤「いやぁ、なんというか……皆は一人のために、皆は一人のためにっていうか……」

瑞鳳「大一大万大吉?」

龍驤「そう、それや! ってちゃうわ!」

加賀「まぁなんでもいいけれど……、実戦で転覆はしないように」

龍驤「うっ……うち、独特のシルエットやから……ちょっちバランス悪いんよね
寧ろ今まであんまり転覆してなかった事の方が不思議っていうか……あはは」

赤城「今度からは気をつけてくださいね」

龍驤「いやー……はは、面目ない。ほんま、面目ないなぁ……」

加賀「……」


――――――
―――



425: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:24:53.91 ID:gRo934GOo

――泊地・港/桟橋――


瑞鶴「……龍驤?」

龍驤「なんや瑞鶴か。うちに何か用?」

瑞鶴「いや用事は特にないけど……ていうか、こんなところで何してんの?」

龍驤「んー? いやぁ、すこーし昔の男の事を考えてて……」

瑞鶴「えっ!? 龍驤ってそういう相手いたの!?」

龍驤「……松本っちゅー男やったんやけどな。あいつはほんまに酷い男やったで」

龍驤「うちの体を好き勝手に弄くり倒してからに
……おかげでうちはこんな体になってしもたわ」

瑞鶴「え……なにそれ////」

龍驤「格納庫拡張されたりなぁ……」

瑞鶴「か、拡張……」

龍驤「そんなことがあってもあいつ、結局最終的には大和の設計補佐に行ったわ……」

瑞鶴「そんな! 龍驤の体を弄んでおきながら大和に乗り換えるなんて信じられない!
そんな男、別れて正解!」

龍驤「……あの、そろそろツッコんで欲しいんやけど……」

瑞鶴「突っ込む!? む、無理だよ私女だし……いくら昔の恋人との肉欲の日々のことを
思い出して火照ってしまった体を鎮めて欲しいって言われても、ついてないもん!
ま、まぁ女同士でもそういうことは出来るみたいだけど……でも突っ込むのは無理だよ」

龍驤「おーい、嬢ちゃん? 戻ってきーや」



426: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:27:44.99 ID:gRo934GOo
瑞鶴「……なんだ。設計士さんの話か……」

龍驤「できれば早く気付いて欲しかったなぁ。自分のネタを自分で解説することほど
恥ずかしいものはないやろ?」

瑞鶴「だって、わかりずらいよ!」

龍驤「せやろか……結構わかりやすかった気するけども……」

瑞鶴「ま、まぁそれはそうと……松本さんはなんでそんなに龍驤の設計をコロコロ変えたんだろう?」

龍驤「……それは多分、どーしようもなかったからやと思う」

瑞鶴「どうしようもなかった?」


龍驤「うち……知ってるんよ。自分が欠陥空母だって言われてたこと」


瑞鶴「……!」

龍驤「出来上がったうちは失敗作やったんや。あの人はそれでも何とかしようと頑張って
でもやっぱりどうしようもなくで、こんな歪な形になって……」

龍驤「いやほんと……まともな空母なら第四艦隊事件であないなことにはならへんよね……
って、なんか自虐みたいになってごめんなぁ……あはは……」

瑞鶴「失敗作だなんて……龍驤は歴戦の空母じゃない」

龍驤「ありがと。でもなぁ、うち……やっぱりみんなの足引っ張ってるなーって思うこと
結構あるんよね。不安定やし、艦載機もあまり積めへんし……」

瑞鶴「もう! 何言ってるのよ! そんなんじゃ、深海棲艦にも
今日の模擬戦みたいに負けちゃうよ!」

龍驤「深海棲艦か……ごっつ強いのが近づいてきてるらしいやないか……」

龍驤「うち、怖いわ……。そないな化物と渡り合えるんやろかって不安になる
本当はうち、足手まといちゃうんかって疑いたくなる」

龍驤「赤城や加賀が羨ましい。あいつらは確かに慢心するけど、決して怖気づいたりしない
不安を矜持と自信で塗りつぶすんや」

龍驤「うちにはどっちもない……ほんま羨ましいなぁ。赤城と加賀、羨ましいなぁ……」

瑞鶴「龍驤……」


427: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:29:56.61 ID:gRo934GOo

龍驤「あはは、なーんかつまらんこと話してしまったなぁ。ごめんごめん~」

瑞鶴「つまらなくなんか……ないよ」

龍驤「まぁ、気にせんといてよ。したらうち、もういくわ」


龍驤「さいなら~」


瑞鶴「…………」

瑞鶴「……で?」

瑞鶴「いつまでそこに隠れてるつもり、加賀先輩?」



加賀「瑞鶴あなた……何故私の気配を!」ザッ



瑞鶴「……そもそも、龍驤に声掛けたのもアンタがそこでこそこそやってるのが見えたからだし」

加賀「どれだけ私のことが好きなんですか。やめてください、そういうの」

瑞鶴「ベッ別に好きじゃないから! ていうか、アンタこそなんでそんな物陰に隠れてたのよ
龍驤に何か用でもあったの?」

加賀「別に何か用があったという訳ではありませんが……あの子、様子がおかしかったから……
少し、覗いていただけ」

加賀「決して励まそうとして出るタイミングを失ったとか、そういうのじゃありません」

瑞鶴「そーなんだ(棒) ちょっと邪魔しちゃったかなー私」

加賀「ええほんとに……」


428: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:32:06.31 ID:gRo934GOo

瑞鶴「…………」

加賀「……私の顔に何か?」

瑞鶴「いや、アンタの顔になんてミジンコ程にも興味はないんだけどさ」

加賀「は?」

瑞鶴「アンタって、私よりも龍驤と付き合い長いでしょ? だから、なんで龍驤があんなに
改装されたのか、知ってるかと思って」

加賀「……そうね」

加賀「龍驤は……当時の軍令部の都合に振り回され続けたのよ。いや、龍驤だけじゃない……」

加賀「私も元は戦艦だった。そして、一度は廃艦にまでなりかけた……軍令部の都合でね。
だからあの子の気持はよく分かる」

加賀「私達は兵器だった。どんなに振り回されようと、どんなに無謀な作戦だろうと
従わなければならなかった……」

加賀「でも私は知っている。そんな境遇の中にあっても彼女、龍驤は懸命に戦い続けた事を
笑われようとも蔑まれようとも、彼女は国の為に戦い続けた……それは確かなこと」


加賀「そんなあの子を、誰が馬鹿にできるものですか」


加賀「龍驤は私達を過大評価しているみたいだけど……それは違う。私は今でも、あの子とは
対等であると思っているわ」

瑞鶴「……アンタって、意外と仲間思い?」

加賀「意外とが余計です」


429: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:34:52.64 ID:gRo934GOo

瑞鶴「……アンタみたいなのでも仲間のために熱くなること、あるんだね」

加賀「熱くなんかなってません」

瑞鶴「あ、そっか。焼き鳥空母だから常に熱いもんね」

加賀「煽るか褒めるかどちらかにしなさい」

瑞鶴「……アンタが龍驤の事を対等に思ってるのは判ったけど……でも本人がそう思うとは
限らないのよね。そこが問題」

加賀「……こればっかりは、本人次第ですから。本人が乗り越えなくちゃ駄目……」

加賀「それに、龍驤ばかりに構っていられないのも事実よ。戦いの時は着々と近づいている。
それにむけて私達も訓練しないと……今回のような失態は許されません」

瑞鶴「わかってるわよ……」

加賀「……でも、一応あなたも龍驤のことを気にかけてくれていたのね
そのことについては……不本意ながら、感謝はしておくわ」

瑞鶴「……」

加賀「……何かしら?」

瑞鶴「いーえ、別に。ただ加賀さんって、こういう仲間を気遣える一面もあったんだなって」

加賀「悪いですか……」

瑞鶴「んーん。いいと思うよ。いつもそんな感じだったら素敵なのに」

加賀「……あなたに素敵だとか言われても、少しも、ナノほどにも嬉しくありませんから」

瑞鶴「あーそうですか~」




430: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:37:44.48 ID:gRo934GOo

――泊地・五航戦部屋――


瑞鶴「ふわぁ~……っと、今日もつかれたぁ~……」

翔鶴「今日もお疲れ様、瑞鶴」

瑞鶴「今日の模擬戦は悔しかったなぁ~」

翔鶴「今後の課題を残すものだったわね。もっと頑張らないと……」

瑞鶴「あんまり頑張り過ぎないでよ。翔鶴姉はすぐ無茶するんだから」

翔鶴「それはあなたも一緒でしょ?」

瑞鶴「翔鶴姉ほどじゃないしっ」

翔鶴「まぁいいわ。明日も早いし、今日はもう寝ましょう……」

瑞鶴「そーだね……」



赤城「いえ、まだ寝てはいけませんよ」



瑞鶴「!?」

翔鶴「赤城先輩!? いつの間に……」

赤城「もう言ったと思いますが、今日より空母一同は纏まって行動しなくてはなりません
それは睡眠から食事に至るまで……」

瑞鶴「あれって、訓練ではって意味じゃあ……」

赤城「我々の連携には未だ不安が残ります。同じ釜の飯を食い、同じ寝床につけば、
その中で一種の仲間意識が培われるはずです。それはきっと連携の不備を解消して
くれることでしょう」

赤城「……という訳で、今から龍驤の部屋に行くから……二人共ついて来てくれる?」

翔鶴「は、はぁ……」

瑞鶴「空母一同ってことは……当然アイツもいるのよね……」



431: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:40:20.17 ID:gRo934GOo

――泊地・龍驤の部屋――


龍驤「……いや、別に全員で寝るのは構へんけどさ……」

加賀「……何か?」

瑞鶴「やっぱりいた……」

龍驤「なーんか嫌な予感しかせーへんで……」

瑞鶴「……加賀さんってぇ、案外可愛いパジャマ着てるんですねぇ……意外でしたぁ」

加賀「ぐ……あなたは袴のままなの? だらしがないわね……」

瑞鶴「だって面倒くさいし……」

加賀「あなたらしいわね」

瑞鶴(くっそ、おっぱいでかいな……こいつ……)

龍驤「不思議やな。瑞鶴が今考えとる事がわかってしまったわ」

瑞鳳「龍驤ちゃんも? 奇遇だなぁ」

龍驤「感じるで感じるで~、同類の気配をビンビン感じるで~」

瑞鶴「この括りに入れられてしまうのは何となく嫌だ……」

龍驤「諦めーや。瑞鶴ちゃんよう、あんた、見るからに……圧倒的にうちら側の艦娘やで」

瑞鶴「い、一緒にしないでっ」

加賀「……彼女達は一体何を話しているのですか?」

赤城「肉まんの話ですよ、加賀さん」

加賀「はぁ。何故今肉まんの話を……」

赤城「鈍いわね……まぁ、そこがあなたの良い所でもあるんだけど」



432: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:42:40.93 ID:gRo934GOo

瑞鳳「えっと、龍驤ちゃん、部屋物色してもいい?」

龍驤「いいわけないやろアホ」

瑞鳳「えっと何々……『格納庫をまさぐられると搭載数アップ!?
今流行の空母艦娘事情……』」

龍驤「こらづほ! 何勝手に見とんのや!」


瑞鶴「……ふぅ、それにしても急よね、赤城さんも。突然皆で寝ようだなんて……」

加賀「赤城さんも赤城さんなりに龍驤の事を気遣っているのよ」

瑞鶴「……ふーん」

赤城「Zzz……」スヤァ…

瑞鶴「当の本人は寝てるけど」

加賀「赤城さんは規則正しい生活をしていますから。……模範にしたいものです」

瑞鶴「誘っておいて真っ先に寝るって自由すぎるでしょう……」

翔鶴「赤城先輩も疲れていらっしゃるのよ」

瑞鳳「そーゆー二人はあんまり疲れてなさそうだね」

瑞鶴「いや、疲れてるけど……睡魔に襲われるほどじゃないってだけだし」

龍驤「はー、はー……まぁ、まだ若いからやろなぁ」

加賀「それは赤城さんが若く無いという意味ですか」ビキビキ

龍驤「そんなこと一言も言ってへんやん……」

加賀「五航戦が疲れていないのは単に訓練で手を抜いているからでしょう」

瑞鶴「ぁんですって!?」

龍驤「はいはい、ここでおっ始めるのは堪忍してーや」



433: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:44:48.87 ID:gRo934GOo
瑞鳳「せっかく空母の皆で寝るんだから……恒例のアレ、やっちゃいますか!」

加賀「恒例のアレ……とは?」

龍驤「加賀は鈍いなぁ~……年頃の娘が布団囲んですることといえばアレしか無いやろ!」

瑞鳳「恋話でしょ!」

加賀「コイ・バナ?」

龍驤「うん、ちょっちニュアンスおかしいな」

瑞鶴「うーん……恋話かぁ」

翔鶴「恋話……!」

龍驤「皆年頃の女の子やし、恋の一つや二つ、したことあるやろ?」

加賀「……はぁ、恋愛の話ですか」

龍驤「加賀は一番そういうのとはかけ離れてるやろ~、恋したことあるん?」

加賀「ありますとも」

龍驤「へー……相手は誰や」

加賀「勿論赤城さんです」

瑞鶴「まーこいつならそうなるでしょーよ!」

加賀「一航戦の象徴たる彼女はそれに相応しい存在です。強く、優しく
そして誇りを以って敵と対峙する赤城さんの凛々しい姿ときたら!」

龍驤「ちゃうちゃう! そーゆー小学生が仲の良い同姓に抱いた友情を恋心の勘違いする
みたいなのやなくて、もっとこう、ドロッドロのねちっこいアレよ、わかる?」

加賀「わかりません」イラッ



瑞鳳「ねちっこいのなら……私、提督にやられたことある……かも?」


434: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:47:28.06 ID:gRo934GOo

龍驤「なんやて!?」

瑞鶴「なんですって!?」

翔鶴「く、詳しく聞かせてくれないかしら!?」

瑞鳳「えと、まぁ……大したことじゃないんだけど……」

瑞鳳「私が秘書官やった時のことなんだけどね、
……提督ったら、何かちらちら私の胸を見てきたの……」

瑞鶴「そ、それで……!」

龍驤「ええやないか……ほのかにエロイ感じになってきたでー!」

翔鶴(ドキドキ)

瑞鳳「それでね、急に提督が『彗星を貸せ』なんて言って急に
私の格納庫を弄ってきたの!」

龍驤「アカーン! これは際どい話になってきたでー!」

瑞鶴「提督さんが……そんなこと!?」

翔鶴「いけません……これはいけませんよ……」



瑞鳳「それでね、提督は言ったの……『ない』って」



龍驤「……はい?」

瑞鳳「彗星は整備が大変だから積んでなかったんだけどね……
まぁこれだけなんだけど、私的には結構どきどきしたっていうか……あれ?」

瑞鳳「どうしたのみんな?」

龍驤「づほ……提督に馬鹿にされてるで? それ、胸がないってことや……」

瑞鳳「えっ」

瑞鶴「あ、あはは……まぁ、ドンマイづっほ」


435: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:50:12.18 ID:gRo934GOo

龍驤「全く、それのどこがねちっこいんや~」

瑞鳳「ななな……! そんなぁ……!」

龍驤「いやー、途中までは良かったんやけどなぁ、づほ。惜しいなー」

瑞鳳「……ぐぬぬ、それなら龍驤ちゃんは何かないの?」

龍驤「うちなんかありすぎて困るわー」

瑞鳳「偉い自信じゃないの……」

龍驤「うちはほら、こないなかわいい女の子な訳やん? だからしょっちゅう
男の人から声かけられるんよ~」

龍驤「『お嬢ちゃん、少しお兄さんとあそこ行こうか』なんて言うてなー!
きっと物陰に連れ込んでやらしい事するつもりだったんやー!」

瑞鶴「……あの、それって……もしかして、迷子と間違われてるだけなんじゃ……」

龍驤「……」

瑞鶴「あそこ(迷子センター)」

龍驤「んなもんわかっとったわ……そこは空気よんでくれへんかな……?」

龍驤「完全に幼児と勘違いされてたわ……『お母さんとはぐれたの?』がいつもセット
やったわ……空母でも体は駆逐艦並や、悪いかボケ……」

瑞鳳「もういっそそっちの層狙いでもいいんじゃないかな」

龍驤「それはちょっち簡便な!」


436: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:52:18.17 ID:gRo934GOo
瑞鶴「何か、まともな恋愛経験ある人いないね……」

龍驤「瑞鶴はどうなんや?」

瑞鶴「私はそういうの特に……翔鶴姉は?」

翔鶴「はぁ、はぁ……」

瑞鶴「……翔鶴姉?」

翔鶴「あの、先程からどなたかわからないんですけど……私のおしりを愛撫してくるんですけどぉ……」

瑞鶴「えぇ!?」

赤城「むにゃむにゃ……シャトーブリアン……」モミモミ

加賀「赤城さんったら、寝ぼけているみたいね」クスクス

翔鶴「いやあの、できれば助けてほし……ひゃうん!?」

じたばた

翔鶴「やっ……そんなところ……!」

じたばた

赤城「うおォン……」

じたばた

翔鶴「ちょ……そこは……だめぇ!?」

するり

翔鶴「あっ……!」


その瞬間、翔鶴のパジャマが赤城によってずり下げられ、

彼女の過激な下着が顕になった。


龍驤「oh……」

瑞鳳「わー……すごく、紐パンです」

加賀「……翔鶴、あなた」

翔鶴「////」

加賀「ド変態ね」

加賀「超弩級ド変態ね」

翔鶴「言い直さないでくださいぃ!」


こうして、空母娘達の夜は更けていく……。


437: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:54:59.48 ID:gRo934GOo

瑞鳳「……すやすや」

赤城「満腹? 知らない言葉ですね……Zzz……」

翔鶴「せんぱぁい……もうやめてくだひゃい……Zzz……」

瑞鶴(……みんなもう寝ちゃったのかな?)

加賀「赤城しゃん……」ゴロリ

瑞鶴「わっ、ちょっと加賀さん……なんでこっちに……!?」

加賀「赤城しゃん……赤城しゃん……」ギュッ…

瑞鶴「ちょ」

瑞鶴(胸があたってるって……やっぱりでかいなおいィ……)

瑞鶴(胸元がはだけて……エロいッ……ドキドキ……)

瑞鶴「いやいや、ていうかなんで私こいつ相手にドキドキしなくちゃいけないのよ……」ゲンナリ

加賀「赤城しゃん……ごめんなさい」

瑞鶴「……?」



加賀「先に沈んで、ごめんなさい……」



加賀「蒼龍、飛龍……ごめんなさい……ごめんなさい……」

瑞鶴「……」

龍驤「……なんやねん、それ」

438: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 23:58:00.43 ID:gRo934GOo

瑞鶴「龍驤? 起きてたの……?」

龍驤「……いつも冷めてて棘だらけの加賀の中身がそれなんやな、きっと。
普段は決して見せないくせに……」

龍驤「ずっとそれを押し殺しているんやろな。加賀にも弱い一面はある……せやけど、皆にそないなとこ、
見せられへんもんな」

龍驤「うちは、自分が情けないわ……自分はいくら弱音を吐いても問題無いからって……
メソメソ情けないことばっかり言って」

龍驤「……皆、弱音の一つや二つ、いくらでももってるのになぁ。赤城だって、加賀だって……」

瑞鶴「弱音の一つや二つ、吐いても良いと思うよ」

瑞鶴「弱音吐いて、スッキリして……また明日から頑張ればいいじゃない。
……あなたには仲間がいるんだから、吐けるだけ吐き出せばいいよ」

龍驤「あはは……なんか、悪いなぁ~……うち、助けてもらってばっかりや」

龍驤「今日のうちの部屋で寝ようって言い出したのも、きっとうちに気をつこうてくれたからなんでしょ?」

瑞鶴「赤城さんがそこまで考えていたかはわからないけどね……」

龍驤「ここまでしてもらって、このままじゃアカンよな……うん、アカン」



龍驤「よっしゃ! 明日からはもう泣き事言わへん! うちはうちにできる事をする!
その中で最善を尽くす!」



瑞鶴「そう、その意気だよ。でもたまには泣き事言ってもいいからね」

龍驤「へへ……ほんま、ありがとな」

瑞鶴「どうも」

龍驤「はぁ~……それにしても、こうやって大勢で寝るってうち、はじめてかも……」

瑞鶴「私もそんなにないかな……」

龍驤「暑苦しくてかなわんけど……このぬくもり、案外悪く無いわ……」

瑞鶴「そうだね……」

439: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:00:06.36 ID:niZG7tfPo

――翌日。


龍驤「よっしゃあ~! 龍驤ちゃんやったるでぇ~!」

加賀「……龍驤、何だか昨日とは目つきが変わったわね……」

加賀「あなたが何か吹き込んだのかしら? 瑞鶴」

瑞鶴「……はぁ、別に私は何も言ってないわよ。言ったのは寧ろ、アンタの方」

加賀「はぁ……?」

瑞鶴「ま、いいけどさ……結果オーライ?」



440: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:01:29.26 ID:niZG7tfPo


――その日から、空母達はいつも一緒に行動するようになった。



赤城「何だか無性にシャトーブリアンが食べたいわね……」

翔鶴「っ!」ゾクッ


ご飯を食べる時も。


赤城「龍驤! 右舷に敵艦隊接近!」

龍驤「まかしとき!」


戦う時も。


加賀「かわってくもの かわらないもの 飽きっぽい私が~♪
はじめて知った この永遠を 君に誓うよ~♪」

瑞鳳「いえー!」


遊ぶ時も。


赤城「いいお湯……」

翔鶴「生き返りますね……」


お風呂にはいる時も。


瑞鳳「それじゃあ電気消すからねぇ」

龍驤「ねよねよ~」


寝るときも。


加賀「……ぉはよ、ございます」

瑞鶴(やべぇ、なんか事後みたい……加賀さんって何で一々エロいんだろう)ドキドキ


そして朝起きる時も。



そんな生活を暫く続けた後、変化は訪れた……!


441: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:02:41.09 ID:niZG7tfPo

――泊地・食堂――


加賀「瑞鶴」

瑞鶴「はい醤油」

翔鶴「あの……」

赤城「水ならいりませんよ」

瑞鳳「龍驤ちゃん」

龍驤「誰が十勝平野やボケ」


吹雪「あ、あの……最近空母組の方々が怖いんですが」

叢雲「もはやテレパシーね、あれは」

磯波「テレパシーなんですねぇ」

初雪「むむむ……」

吹雪「は、初雪……? どうしたの?」

初雪「テレパシー使えたら、喋らなくてもよくなるって思って、した」

吹雪「テレパシーを?」

初雪「うん」

叢雲「無理に決まってんじゃない」

初雪「空母の人達はできてるし……」

吹雪「あれはまたテレパシーとは別物だから……」



442: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:05:03.25 ID:niZG7tfPo

――泊地・港――


加賀「――待ちわびたわ、この時を」

日向「リベンジマッチか、面白い、受けて立つぞ?」


そして今日、空母機動艦隊は彼女達と対峙した。
再び相見える、以前の模擬戦と同じ構成の二つの艦隊。
因縁の対決……空母娘達にとっては、以前敗北を喫した仮想姫級艦隊への
リベンジの時だった。


瑞鶴「侮らないでよね、今の私達は絶好調なんだから」

最上「負けたら君たちの艦載機を全部瑞雲に替えるけど、いいかな?」

瑞鳳「なにその罰ゲーム……」

龍驤「へん! 全員ぐちょぐちょにしたるでー」

五十鈴「何よぐちょぐちょって……」

最上「響きがエロいんだよなぁ」

熊野「ふふ、軽く返り討ちにして差し上げますわ」

赤城「その余裕、いつまで続くかしらね?」

翔鶴「そうです。以前の私達と同じと思っては困ります!」

陽炎「私と五十鈴さんは完全に巻き込まれてるんだけど……
まぁ、とりあえず陽炎、抜錨します!」

龍驤「お、なんや宣伝か?」

陽炎「二巻も発売中ー!」

龍驤「やかましいわ」

日向「……航空戦艦は無敵だからな。まぁ、せいぜい頑張ってくれよ。」

伊勢「無敵は言いすぎだって……」




443: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:06:11.53 ID:niZG7tfPo


――泊地近郊・演習海域/空母機動艦隊――


赤城「今回はリベンジマッチ。雪辱を晴らすべく、旗艦はあの時と同じ翔鶴ちゃんよ」

加賀「あの日向を完膚なきまでに叩きのめせると思うと、さすがに気分が高揚します」

瑞鶴「間違いなく今から煽る台詞考えてるよこの人……」

翔鶴「皆さん、以前は敗北こそしたものの、私達はあの時より確実に強くなっています
落ち着いていけば、必ずや勝利をつかめる事でしょう」

赤城「その為に、以前のような慢心はしないようにね。特に加賀さん」

加賀「赤城さんに言われるとは……わかっています」

龍驤「索敵はうちに任せろー」



――――――
―――




444: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:09:46.62 ID:niZG7tfPo
――泊地近郊・演習海域/仮想姫級艦隊――


五十鈴「……正面敵影多数! 艦載機来たわ!」

日向「今回ものこのこ倒されにやってきたようだな……伊勢! やってしまえ!」

伊勢「あの、旗艦は私なんだけど……まぁいっか」

伊勢「三式弾、行くよ!」


航空戦艦・伊勢、空母機動艦隊の第一次攻撃隊に向け三式弾を発射。
が、しかし……!


「!! ……敵機広範囲に拡散。隊列が崩れるギリギリの密度で依然として飛行中!」


伊勢「あちゃあ……この前ほど劇的な効果はないわね。ま、そりゃ警戒されるか……」

日向「小癪な……だが問題ない、瑞雲を放って突撃だ! これぞ無敵の方程式だ!」

陽炎「あの、私達瑞雲飛ばせないんですが」

五十鈴「そうよ、どうするのよ」

日向「……気合だ、気合で避けろ」

五十鈴「」

陽炎(その時私は、大戦末期の軍令部のお粗末さを感じたわ……やれやれ、
無茶なところに突っ込まされるのは駆逐艦の宿命ね)


仮想姫級艦隊、突撃開始。しかしそれはあまりに無謀な突撃だった為、
陽炎と五十鈴は早々に落伍、最上は熊野に衝突した。


加賀「三式弾さえ攻略してしまえば後は案外脆いものね……」

翔鶴「戦況はこちらが優勢です! みなさん、わかっていますね!?」

龍驤「言われなくてもわかってるで」

瑞鳳「伊達にずっと一緒に過ごしてないもん!」


瑞鶴「さぁ、第二攻撃隊……発艦開始よ!」


445: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:13:39.76 ID:niZG7tfPo


日向「私達だけになってしまったか……しかし回避にかけては定評のある私達の動きを
捕らえることができるかな!?」

加賀「……愚かね。以前と全く同じ戦法で来るなんて」

日向「勝てば官軍! このまま押し切らせてもらう!」


ドォン!


日向、夥しい量の攻撃隊の中を自慢の回避力で強引に突破。そのまま砲撃に移る。

加賀「この状況でもまだ撃ってくるなんて、見事ね」

赤城「しかし精度はあまり良くないようですね。無理もありませんが」

瑞鶴「赤城さん! 二人の接近を許す前に!」

赤城「わかっています。加賀さん、日向の方を頼める?」

加賀「願ってもないです」

赤城「じゃあ私達は……」

翔鶴「伊勢さんですね」

瑞鳳「うん!」

赤城「理解が早くて助かります……相手は戦艦です、こちらもあまり余裕がありません」

翔鶴「この一撃で決まりますね……!」

赤城「ええ。では、行きますよ……!」


航空母艦・赤城、伊勢に対して集中攻撃を仕掛ける。



446: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:16:12.37 ID:niZG7tfPo

伊勢「まぁ、そうなるわね……だけどこっちもタダじゃ終わらないわよっと!」



ドォン! シュパアァァン……!


「赤城さん! あんな近くで三式弾炸裂されちゃ近づけませんぜ!」

赤城「あの距離じゃ自身にも被害が出るはず……!」

伊勢「肉を切らせて骨を断つ! 戦艦の装甲をなめないでよっ!」

赤城「……見事です。ですが……」


赤城「やはりここで終わりです」


翔鶴「捉えました! 次弾装填はさせません!」

瑞鳳「やっちゃいましょう!」


伊勢「……こりゃ、参った」


航空母艦、赤城。あえて伊勢に三式弾を撃たせ、次弾装填の隙を作る。
翔鶴・瑞鳳は攻撃隊を突撃させ、見事伊勢に魚雷を当てた。伊勢は大破判定となる。



447: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:18:12.98 ID:niZG7tfPo

日向「くっ……伊勢がやられたか……かくなる上は、一隻でも撃沈してみせる!」


日向、最大船速で突撃を開始。その目標は龍驤のようだった。


龍驤「う、うちか!?」

日向「あなたが一番脆そうだからね……それ、ずいうーん!」シュパッ

龍驤「はぁ~ん……? 言うてくれるやん……、うちが一番弱そうってこと?」

龍驤「……なめんなや、三下ァ!」ガション

日向「12.7cm高角砲……!?」

龍驤「こなくそー! しにさらせー!」バババババ


軽空母・龍驤、高角砲で日向の瑞雲を迎撃。
瑞雲を撃墜することに成功。


日向「良くも瑞雲を……しかし、この距離ではもう勝ち目はない!」


航空戦艦・日向、龍驤に肉薄!


龍驤「……さて問題、うちの攻撃隊は今どこにいるでしょうか?」

日向「……!? ま、まさか」



龍驤「答えは直上や! アホ面晒しや!」



ドオォォォォン!



日向「くぅ……!」


航空戦艦・日向、龍驤の爆撃機により中破判定。



448: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:19:42.47 ID:niZG7tfPo

日向「……ふぅ、やるじゃないか。五分の力とはいえ
航空戦艦の私をここまで追い詰めるとは……」

瑞鶴「はぁ~ん? じゃあもっと攻撃してもいいわけね?」

加賀「鎧袖一触です」

日向「ちょ」


加賀・瑞鶴、ダメ押しの波状攻撃。


日向「波状攻撃だけは勘弁してくれぇ……」


――こうして模擬戦は、空母側の華々しい勝利で幕を閉じた。



449: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:20:51.73 ID:niZG7tfPo

――泊地・港――


加賀「……」

日向「……」

加賀「弱過ぎなんだけどマジ!」

加賀「誰だよ航空戦艦を無敵って言った奴は」

加賀「誰だよ航空戦艦を無敵って言った奴は出てこいよ!」

加賀「解体してやるよ!」

加賀「……よえーなまじ無敵無敵とか言ってまじで」

加賀「瑞雲放ってるだけじゃねえか!」

加賀「そういう模擬戦じゃねえからこれ!!」

日向「」

伊勢「満足した?」

加賀「ええ、とっても……」スッキリ




450: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:24:18.19 ID:niZG7tfPo

瑞鶴「龍驤!」

龍驤「なんや瑞鶴、そんなに急いで」

瑞鶴「すごかったじゃん今日の! 高角砲でバンバン敵機を撃ち落とす
空母らしからぬ活躍!」

龍驤「まぁー、アグレッシブなのがウチのとりえやし? それに……
赤城や加賀の真似しても仕方ないしなぁ」

赤城「でも、今日のは本当に凄かったですよ?」

龍驤「な、なんや赤城ぃ……照れるやないか……大したこと無いってあんなん」

加賀「……いいえ、そんなことはないわ龍驤。あなたは今も昔も、
立派な一航戦よ。胸を張りなさい」

龍驤「加賀まで……」

瑞鳳「まー龍驤ちゃんに張るほどの胸はないけども!」

龍驤「こらづほ! 最後の最後で台無しやないか!」

翔鶴「うふふ……」

瑞鶴「あははっ! おっかしー!」

龍驤「な~に笑っとるんや! 瑞鶴も他人ごとじゃないで!」

瑞鶴「なんですって~!」



……ずっとみんな一緒に居られたらいいのに。私は強くそう思った。




451: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:26:21.94 ID:niZG7tfPo
――泊地・執務室――


提督「いいか、ここにいる艦娘は皆、この泊地の主力を担う者達ばかりだ」

瑞鶴(うわー……戦艦や空母が一同に揃うなんて)

瑞鶴(……いや、案外とあったか? そういうこと)

加賀「……瑞鶴、提督の前よ、集中なさい」

瑞鶴「はいはい」

提督「そんなお前達を呼んだのはそう……」


提督「"あの深海棲艦の艦隊"と……近々雌雄を決しなければならない旨を
伝えなくてはいけなくなったからだ……」


瑞鶴「……あの艦隊。東方艦隊も、二航戦でも止められなかった……あの……!」

金剛「oh……それはデンジャラスなお知らせネー」

赤城「いずれ来るとは思っていましたが……」

翔鶴「いざその時が来ると……」

木曾「ま、少しは骨がある連中だと聞いてるがねぇ……?」

神通「その程度で済めば、いいのですけれど……」

提督「……お前達が不安に思うのもまぁ、わからんでもないんだがね……しかしだ
こちらも、引くわけにはいかん。前線の泊地が落ちれば、必然的に次の最前線はここになる」

提督「やらなきゃ、やられるだけだ……」

瑞鶴「……」

提督「今度の海戦は絶対負けるわけにはいかん。それは国のためでもある
だが、お前達のためでもあるんだ……」

提督「……こんなおじさんで、頼りないかも知れんが……」



提督「この戦いは必ず勝つ……! だから、信じて着いて来てくれないか?」




452: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:28:38.10 ID:niZG7tfPo


加賀「……はぁ、何を今更」

赤城「ほんと、今更ですよね?」

金剛「私はいつも、テートクの言うことならどんな願いもYESYES枕ネー」

榛名「榛名は大丈夫です。お会いした時から提督のこと、信じてますから……」

伊勢「提督ったら水臭いですよ? そんなの、聞かなくてもわかっているでしょ?」

日向「日向は艦隊にて最強。案ずるな、必ずや私が勝利に導いてみせるさ」

最上「大丈夫、僕の瑞雲さえあればね」

熊野「勝利の暁には神戸牛をご馳走していただきますわ。いいかしら?」

木曾「不安なのか? ふ……俺に任せておけ」

神通「皆さんと一緒なら……負ける気がしません」

翔鶴「みんなと一緒になって築き上げてきたこの泊地……決して深海棲艦なんかに
落とさせはしません!」

瑞鶴「そうだよ! 私達は絶対に負けないって信じてる! そして提督さんの事も!」

提督「ふ……何だ瑞鶴、そのついでみたいな言い方は」

瑞鶴「実際そうかも」

提督「ぬかしおる」

金剛「テートクゥ! 私はいつでも提督のこと信じてるネー!
信じてベットで待ってるんだから早く襲いに来てヨー!」

提督「すまない、私は朝潮ちゃんに添い寝してやらなくてはならないんだ……」

金剛「また駆逐艦デスかー!?」


453: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:29:32.90 ID:niZG7tfPo

提督「なんというか、駆逐艦は心が洗われるんだ……子供を持つってこういう気持ちなんだなって」

赤城「結婚を通り越してお父さんになっちゃってるわね」

提督「そうかも知れん……だが勘違いしないで欲しい。駆逐艦だけではなく、
私はお前達もみんな、私の娘だと思っている」

瑞鶴「お父さん下着一緒にしないでって言ってるじゃん! お父さんキモい!」

加賀「お父さん、またあの女と会ってたの?」

最上「お父さん瑞雲買ってよ」

日向「父さん、私……東京出てビックになる」

赤城「お父さんめし」

提督「お前達なぁ……」


本当に本当、皆でいると自然と笑顔になった。


皆で居るこの時間が、大好きだった。


そして運命は――。



454: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:30:23.31 ID:niZG7tfPo
――数日後。

――戦闘海域――


加賀「……いよいよね」

赤城「……皆さん、準備はいいですか?」

翔鶴「なんだか、緊張してきました……」

瑞鶴「大丈夫だよ、私達が負けるはずない!」




運命はきっと、この戦いで決まるのだ。




――to be continue……。




455: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:33:57.97 ID:niZG7tfPo
no title

Z3ちゃんかわいい!!!!!!!

456: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:34:03.69 ID:Utdwoc5w0
この先は絶望しかないのか…?(懇願

457: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 00:37:24.20 ID:tlCpYCIqo
乙です

458: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 01:01:17.97 ID:OZzFaCDUo
航空艦のキャラクターぶれ過ぎww

459: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 03:40:07.04 ID:AAMO0mNAO
本来のキャラと違うレールにそれた結果、安定しちゃったwwwwww

日向は木ノ葉において最強

460: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 09:23:37.52 ID:Vy85VdeK0
加賀さんの弾けっぷりが素敵。
伊勢さん常識人でなんだか新鮮。
日向さんもう色々突き抜けてて笑える。
乙っす

461: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 10:02:12.75 ID:VOu/0jMN0


やはりこれからは、航空火力艦の時代だな


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